”不時着”沼に不時着
昨夜の地震と停電で、日常のありがたさをしみじみ噛み締めている。
亡くなられた方々がいらして本当に残念。
なんというか・・・久しぶりにまた、無力であることを思い知らされた。
あの震災から11年がたち、いつのまにかまた心が緩んでいたみたい。
自身に揺られている間、あれもこれも準備していない、できていないと
後悔することがいっぱいあった。
これを警告と受け止めて、危機感を持っていかなければと思う。
こんなお菓子も買っていました。
はい、「東京リベンジャーズ」も好きです。
自分ではそうひねくれているつもりはないのだが、
少しムキになっていたのかもしれない。
‘’韓流‘’という言葉に。
そのドラマが面白いのは知っていた。
昔々大昔、もう今から20年近く前の事、
突如として起きた冬ソナブームに、私もオットも否応なく巻き込まれた。
号泣とまではいかなくとも興味を持って最後までその恋の結末を見届けたし、
次に「チャングムの誓」ビデオを、レンタル店で借り始めたのも、
やはり冬ソナが入門編となってのことで、
韓国のドラマはみんなが言った通り面白いね、
と夫婦で納得したからに違いない。
それで誰に勧められたのだったか、
次に見るのはチャングムだからね、と言われたということで、
試しに借りて見たら、これがハマりにハマった。
夜中を過ぎても毎晩夫婦で、
小さかった子どもたちを寝かしつけては見続け、
こらえきれずにオットが夜中の3時にレンタルビデオ店に走って
次巻を借りてきたこともある。
ある登場人物が亡くなったシーンでは夫婦で泣いた。
本当に夢中で楽しくも辛い数週間を過ごして
やっとゴールにたどり着いたあとは、
夫婦でもうこれ以上ハマるのはやめよう、と
差し控えることにしたのである。
本気で毎日寝不足状態のオットは、勤務に支障が出そうになったというし、
それはいけない、という結論になって。
その後、世間はさらにヒートアップし、
私の友人たちは、まるで呪文のようにも聞こえる
素敵なスターたちの名前をつぶやき続け、浸り続けている横で、
私はうんうん、それは素敵ね、よかったね、
と静観の構えを取り続けた。
友人と新宿でランチをしていたはずが、
気が付くと何やらそのまま腹ごなしにと歩かされ、
歌舞伎町を横切って新大久保に入り込み、
謎の韓国雑貨店を巡り歩いていたこともある。
いつ電話してもメールしても「今、韓国に来ています」と
返事がある友人もいて、
しまいには家に何やらのアンテナを取り付け、
常時韓国のテレビを見られるようにした、という話に驚き、
自然とハングルが読めるようになった、
聞き分けられるようになったという状態にまで達したと聞いてはのけぞった。
特に申し合わせたわけではない友人二人が、
それぞれ衝動的にソウルに旅立ち、(衝動的にというところが怖い)
偶然向こうでばったり会って驚いた、
なんて話にこちらこそ驚きだった。
とにかくそれなりに熱い熱い韓流ブームの中に私も揉まれていたのだったのに、
入らずに来た、入りそびれた。
理由はただそれだけ、乗り遅れただけのこと。
でも別にそれでよかった。
別に退屈な人生は送っていないので、このままの私でいるつもりだった。
のだが。
不穏な空気にまた圧を感じだしたのは昨年である。
噂だけなら一昨年から観て聴いて知っていた「愛の不時着」なるドラマ。
職場で皆がその感動を口にしている。
当然反感なんかは全くない。
私もぜひ見てみたいと思いながら歳月が過ぎた。
我が家は家族全員大のテレビっ子で、
あらゆるジャンルの番組を常時楽しんでおり、
他に見る暇がなかった、それだけである。
それが今年に入ってすぐ、
その「愛の不時着」で恋人同士として主演した二人が、
現実でも恋人同士になっているらしいというニュースを知った。
それは素敵、なんておめでたいことと思った。
日本でも、あの名作ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で共演したお二人が、
現実世界でも晴れてご結婚されて、
非常にめでたく、華やいだ気持ちになれたものだ。
それがきっと韓国でも起きて、
だから皆さん本当に喜んでるんだろうなあと微笑ましく思った。
その微笑ましい感情を共有したい。
実はこれが大きな動機になった。
それで、ぜひ今年は話題の「愛の不時着」を観ましょう、
と家族を誘ったのだった。
そうこうしているうちに、そのお二人がさらに結婚を決められたという。
ネットの賑わいは祝福ムードであふれ、
皆がどんなにこの作品を大切に思っているかが判って、私もその渦に心を沈めてみたくなた。
かくて。
ついに私たち家族は、「愛の不時着」というドラマを観始め。
1話目はフーン、だったのだが。
2話目からこれはコメディなの?になり、ちょっと面白いかもと引き込まれ始め、
3話目からはヒョンビンというこの方は、
ものすごくかっこいいのではないかと気になるようになり、
リ・ジョンヒョクとユン・セリ二人の掛け合い、
楽しくかわいい第5中隊の面々に親しみがわいて、
どんどんどんどんのめりこんでいった。
ソン・イエジンさんが演じるユン・セリがまた、たまらなくチャーミングなのだ。
彼女は大財閥の令嬢で、
自身も優れたセンスを駆使して自力で巨大な事業を展開している実業家であり、
ただ可愛い、きれいなだけの女ではない。
しっかりしていて、計算高くて、生まれの良さから自然と高慢、
でもそこに歪んだ気持ちはなくて、素直にただ上から目線、
でもそれが可愛いという人。、
泣くし騒ぐし文句を言いつつ、ただ待ってるだけではない。
常に自分にできるベストを模索し
、薄情ではない素直な心で人の資質も見抜くし、親しんでいく。
彼女が自分で言う通り「黙っていても魅力が溢れてしまって困る」女性なのだ。
そうでなければあのジョンヒョクさんが
全人生をかけるほどに愛さなかったに違いない。
久々のこの感覚。
次の話へ、次の話へと気持ちは逸る。
でも現実世界はなおざりにできない。
断腸の思いでネットフリックスから離れては、現実世界へと働きに行き、
戻ってくると親子でテレビの前に座って、
ハラハラと、ジンジンと、心を震わせながら、
2人の恋を、いや途中から4人の恋を見守り続けた。
かなり早い速度で、私たち家族はこの作品全16話を見終えたと思う。
家族全員もうヒョンビン様の虜となり、
お話の後半は胸がキュンキュンとなるという久しぶりの感動を味わい、
ラストシーンにかけては何度も涙を流し、
最後はムスメと抱き合って号泣した。
ついに、熱い熱い時間を家族で共有することができたのだった。
小説でも漫画でもアニメでも映画でも。
気に入ったものは何度でも繰り返し見て味わい尽くすのが
私の昔からの性分である。
このドラマの最大の魅力はたくさんの人物たちで、
またそれに日本語を吹き替えて命を注ぎこんでくださっている
日本の名声優さんたちのお声が素晴らしすぎる。
2巡目は家族に言わず、私一人の時間を少しでも利用して観始めることにした。
そしてそれがとても素晴らしいものであることを非常に実感。
もう結末までを知っているだけに、
かなり落ち着いて、細部のディテールを楽しみながらゆっくり観ることができるのである。
悪役のチョ・チョルガン役のオ・マンソクさんという俳優さんが、
ミュージシャンの岡村靖幸さんに似すぎていて、
最初から夫婦でざわめいていたのだが、
声は大好きすぎる諏訪部順一さんで
子ども達もざわめく。
リ・ジョンヒョクさんは日野聡さん、あの煉獄杏寿郎さんだし!
ソン・イエジンさんは泣く子もおだまり、という感じの沢城みゆきさんで娘は大騒ぎ。
(崇拝しているのである)
潘めぐみさんや前野智昭さんでも大感動で、
本当に声の出演が素敵すぎる。
2回見ても感動は薄れなかった。
気が付くと家族みんなで2回目も観ていて、
ほんとだ、2回目は安心して観てられるねーと喜んだ。
で、今は私が折々に、好きなシーンだけ再生しては繰り返し見て楽しんでいる。
それを家族に見つかっては「また観てる」と笑われてしまう、
それでも全然恥ずかしくない、開き直って見続ける私。
恐ろしきは韓流沼。
いや不時着沼というべきか。
オットと二人でこのカップル初共演作の映画「ザ・ネゴシエーション」も観たし、
ヒョンビン様を徹底してみようということで「コンフィデンシャル/共助」も観た。
どちらもまあまあ?という感じだけれど、
違うヒョンビンさまである。
かっこいい。
でも私が、私たち家族が好きなのはあの、リ・ジョンヒョクさんという役なのだろう。
素敵な二人の恋物語に出会えて幸せだった。
楽しい気持ちの共有は職場でもできるようになって、
それもうれしい広がりである。
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