アントワネット!

  • 2016.12.02 Friday
  • 22:00

六本木ヒルズ森タワー52階の、森アーツセンターギャラリーに行ってきた。

『ヴェルサイユ宮殿監修 マリー・アントワネット展』のためである。

 

どうしてこの人はこれほどに多くの人の心を掴むのだろうと、自分自身もしっかり心掴まれていることを考えながら、足を運んだ。

私の場合は単純ではっきりしている。

小学生の頃、空前のベルばらブームを経験しているからだ。

 

ほとんど何もわかっていなかったなと今にして思う幼い頃であったとしても、ロココの女王マリー・アントワネットと、池田理代子先生の創作ながらその美しい王妃の傍にかしずく男装の麗人、近衛隊長のオスカル・ド・フランソワ女伯爵の存在は眩くて、生涯忘れられないものとなった。

神戸に育った私にはさらにタカラヅカはすごく身近に感じられる世界だったし、実際、ベルサイユのばらの舞台も母や妹と何度か観に行き、テレビでも放映されるたびに見た。

原作ももちろん読み、それでは足りずに以来ずっと、アントワネットの本が出れば買って読んでいるし、映画も見る、とにかく知らずにはいられない、という感じである。

 

そういえば10年前のソフィア・コッポラ監督、キルスティン・ダンスト主演の「マリー・アントワネット」を一緒に観に行った友人と、今日も一緒に出かけたのだった。

 

入場料1800円はそれがアントワネットだろうがなかろうが、高いと主婦感覚で思えてしまう。

2階の入り口から高速エレベーターで52階に登り、ふわりと開けたヴェルサイユ宮殿のような空気の中に足を踏み入れながらも、まだ最初はそう思っていた。

けれど次第に彼女を取り巻く世界、多くの人々の肖像や当時の品々、実際に彼女が見聞きし、触れていたのかと思える非常に多くの品々を見て感じているうちに、これだけのものを運び、管理し、運営してくのだから、1800円は安いでしょうと思えるようになった。

主婦にそう思わせてくれるなんて大したものだと思う。



唯一、写真撮影が許可されていたアントワネットの居室として設えられたコーナー。

 

アントワネットはブルーが好きだったのかなと思う。

恥ずかしながらオットとハネムーンで行ったベルサイユ宮殿でみたアントワネットの私室(の一つ?)は

もっとクリアな、美しいブルーだった印象がある。

(ハネムーンはウィーン〜ヴェルサイユ、パリともろにアントワネットの人生を追ったものだった・・・!)

肖像でも淡い色にブルーのリボンが効いたドレスを着ているものが何点かあったし、

娘にもそのようなドレスを着せていた。

そして丸みを帯びた可憐なピンクの薔薇を持っているような。

 

展示は彼女の近親者、中でもオーストリア女帝のマリア・テレジアにも多く触れられていたけれど、偉大な女帝に不遜かもしれないが、母として、この方の気持ちを思って胸が痛んだ。

母としてより国を第一として生きられた方だろう。

けれど恋愛結婚をして、その相手との子を十何人も産み、育てながら、戦争をして多くの勝利を収めているものすごい方である。

次々と利益ある結婚を我が子たちに課し、中でもアントワネットにはフランスの王妃という運命を背負わせる決断をした。

仕方なさによるものとたくさんの本で読んだけれど、アントワネットの気質を見極め、ゆえに案じ、嫁がせる日まで自室に寝泊まりさせて教え諭したというお話に身をつまされる。

14歳の娘をである。

国の運命、責任を背負わせ嫁がせる母親の思いが軽いはずはない。

その後も娘を案じ続け、こまめに長い手紙を書き送り続け、本当の意味での幸せを、アントワネットが掴めますようにと願って止まなかったこの方の思いに心が震えるのだ。

 

残念ながらその思いはアントワネットには届かなかった、すぐには・・・と多くの本で書かれていた。

そして彼女がアントワネットの運命を知らずに死ねたのは幸運だったと。

本当にそうだと思いながら絢爛豪華な展示場内を歩き進む。

 

『きっと誤解に気づく』

ともこの展示会のキャッチコピーにあるが、

これはかの有名な、アントワネットが言ったとされる言葉、

「パンが無いですって。じゃあお菓子を食べればいいじゃない』

に代表される彼女の無知ぶり、解ってなさぶりを指しているものだろう。

その言葉は現在では間違いだったともう多くの人が認識していると思う。

が。

彼女が好んで作らせたもの、取り寄せたもの、購入したものをみていると

「うーん、誤解じゃなかったかな〜」と思えてしまう。

享楽。贅沢。

それに彼女が溺れたことは事実だ。

それを案じ、嗜める人たちの声を聞かなかったことも。

 

フェルセンの肖像は一点しかなかった。

ほとんど彼の存在感が出ていなくて、返って少し気になった。

ベルばらに染まった日本人には大重要人物のフェルゼンだけれど、ヴェルサイユ宮殿的にはそうでもないのかな・・・

でもヴァレンヌの逃亡はフェルセンなしではなかったこと。

そのヴァレンヌ逃亡がなければ、ルイ16世とアントワネットの処刑はなかっただろう、とさえ言われると聞いた。

つまりフェルセンはアントワネットを救おうとして返って追い込んだ、大きく運命を変えすぎた人だと思うけれど。

 

ちなみに誰もがフェルセンの肖像の前では

「・・・・・・・・」

だった。

私と友人もそう。

まあ、人のことはよく分かりませんが・・・。

 

 

アントワネットの人生から何を読み取るかは人それぞれのこと。

私は何度もツワイクが書いていた「彼女は非常に普通の女性だったにすぎない。王妃という地位にさえなければ、一生善良で、人に愛され、家族を愛して穏やかに人生を遅れたに違いない人」という言葉を思い出し、それがやっぱり一番の幸せだったなあとため息をつく。

アントワネットの人生に及ぶべくもないが、それでも私なりに大切な日常を守り、時折浮かぶ享楽や贅沢への誘惑には負けずに、おだやかに暮らしを愛して生きて生きたい、と。

 

こられている方の多くは女性で、それもかなり上の方が多いように感じた。

私よりさらに大人の女性として、ベルサイユのばらという作品にふれた年代の方達だと思う。

 

展覧会出口にあったグッズ販売店は人であふれかえり、心惹かれるものもいくつもあった。

その中で私が選んだのは、お値段も手頃なこちら。

縦53ミリ横40ミリの

ブランが描いたマリー・アントワネットの肖像をマグネットにしたもの。

<ゴール・ドレスを着たマリー・アントワネット>

<王妃マリー・アントワネット>

一生の記念品になる、と思う。

 

 




 

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