写真で旅する

予告してやってきてくれる心配事はない、と思うが、年取った親の健康についてもそう感じるのは浅はかというものなのか。

 

他の方ならお年を聞けばすぐに、ああ、もう色々きを付けられた方が良いお年頃だな、いつ何があっても不思議はないな・・・と勝手ながら思えてしまうのに、自分の親だとそうはいかないものらしい。

 

私の頭の中ではずっと、母は40代後半から60代半ばまでの、元気で溌剌とした姿で、声だけ聞いていると今でもそう、年老いている気がしない。

オットの親も同様で、嫁の私はまだしも、義妹にとっての義母はきっとそう変わっていないのだろう。

 

そう思い込んでいたお気楽な娘たちのそれぞれの母が、今までの調子を保てなくなった。

 

80歳をいくつか過ぎていて、といえば誰にでもそれは無理もないよと言われてしまうだろう。

わかっている。

けれど娘である私たちは、そうは言ってもまだ母さんは元気だよね、とそう思っていたのだ。

思っていたかったのだろう。たぶん。

 

4月に、家の中に犬や猫が入り込んで困る、と訴えた私の母は、普段は全くクリアで元気である。

なので本人が見えると言っているものが存在しないことに、私も妹も戸惑った。

オノヨーコさんと時期を同じくして宣告されたのは「レビー小体認知症」というものだ。

本人にはいたってリアルなものが視えるらしく、それはさながらテレビでよく見るCGのようらしい。

が、肢体に不自由が出ることはなく、現在は一時保護されている施設で元気に暮らし、早く家に戻って元のように一人暮らしを再開させたいと言っている。

私は東京に母を呼んで共に暮らしたいと家の準備も含めて考えているが、地元神戸のケアマネージャーさんたちはそれに反対、大きな環境の変化は認知症を悪化させるということで、妹も気が進まない様子。

仕方ないのでとりあえず様子見なのだが、母は一時ならいいけれどこのまま死ぬまで施設にいるのは嫌だというが、いつ、そのリアルな幻覚を見るかわからない母が、もう一人暮らしの生活に戻ることは不可能、とされているわけで、けれど施設に母の様子を見たり、ちょっとした用事をしてあげるために定期的に通う妹には負担がかかっているしで、いずれはやはりこちらで引き取った方がいいんじゃないかと考えている。

が、現状、ひとまず私の母は落ち着いている状態だ。

 

そうして先週、義妹から連絡がはいった。

義母が、私の母と似た状態が疑われるらしい。

感情の起伏がもとから激しく、トラブルを抱えやすい方なので、諸処の事情はあるのだが、義父と義妹の見解が違っているにしても、義母もまた一人にできない状態になった。

とりあえず今、義妹の家にいるというので、今日はオットと二人、義妹の家にお邪魔させてもらった。

 

義妹は私と全く同じ年と月生まれ。彼女の方が3日早く生まれている。

そして互いに転居を繰り返してきたのに、数年前から同じ町内に住んでいて、それぞれ年の近い子供が上が女で下が男、と同じ構成でいて、しかも私の友人にずば抜けて多いBという血液型のなせるわざなのか・・・とても気が合う。

オットは実の妹である彼女にほとんど滅多にあっていないが、私はしょっちゅう彼女とランチし、何時間もいろんなことをおしゃべりしている。

そろそろまたランチしたいな、と思っていた頃の、義妹からの連絡が今度はちょっと心配な感じだったのだ。

 

お土産に、地元の菓子店の和風なプリンをいくつか携え、雨の中歩いてごく近所の彼女のお宅へ。

義母は少し小さくなってソファに座り、私たちの訪れに驚いたよう。

色々なことに戸惑っていらっしゃると思って、詳しく色々聞いたりしない。

今は元気で落ち着いている、そのことが肝心なのだから。

 

嬉しいのは久しぶりの姪との再開。

先週、留学先のスウェーデンから帰国したばかりということで、逆にお土産をいただいてしまった。


とても良い香りのスウェーデンの石鹸と、チョコレート。


ノーベル記念館でのみ売られているというノーベル賞メダルを模ったチョコ。

何やら縁起が良さげで嬉しい。

缶も可愛いから、これはこのまま、これから何十年間も我が家にあることになるよ、

と言って、不要なものはすぐさま処分する質の義妹と姪に笑ってもらった。

 

 

ちなみにオットの実家では義父が一人残っていて、そちらも心配。

義母も施設に・・・という方向になりそうだ。

義母がそれを受け入れてくれるかどうか、残った義父は(また大変元気で、仕事もしていらっしゃる)どうするか。

今後ゆっくり丁寧に考案していくべきことが増えた。

皆が仲良く幸せに、これから先の歳月も重ねていける方向に、この事案も導いていかなくては・・・。

 

和気藹々と話しもって、義妹一家がスウェーデンにいた姪の元を訪れるついでにスイスからイタリアと旅した時の写真をたくさん見せてもらう。

素晴らしく楽しく、素敵な写真ばかりで、見ていて飽きない。

私もすっかり楽しい旅をした気持ちになれた。

身近な身内が本当に旅した写真からは、よりリアルに想像の旅ができる。

思いがけない幸せだった。
 


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