少しだけゴースト


係長(すごくチャーミングな女性)が、美味しいたい焼きを差し入れてくださった。
いつも行列のできているお店が、たまたま通りかかったらそれほど並ぶ人がいなかったので、事務所に残っている皆に食べさせてあげよう、と思ってくださったそうだ。
外がパリッと焼けていて香ばしいのがすごい。
しっとり蒸気を含んで重たいほどのたい焼きも、それはそれで美味しいと思うが、パリッとしたものを食べると抜群に美味しい!と思う。
しかも尻尾の先、隅々まできっちり餡子が入っている。
その餡子がまたなんとも言えず程よい甘さ、くどくなく、それでいて身も心も優しさでとろけそうな、ふんわりとした甘さ。
包み紙も可愛くて、少し疲れていた夕暮れ前のオフィスで、本当に美味しく、皆でひとときワイワイ言いながら楽しく頂いた。
そんなに喜んでくれるなら、もういつでも買ってきてあげると言ってくだはる係長。
係長が言ってくださればもうなんでもします、と思う私。
見事に餌付けされてます。



さて。
成人式と5つの舞台を終え、ようやくホッとできると思っていた娘の様子に、おや?そうでもないの?と違和感を覚えた今週初め。
気のせいかな〜と思っていたら、どうやら本気でテンパっている。
なんでも課題の締め切り間近で、でもその課題がさっぱり進んでいないと言うのだ。
嘘でしょ、やめてよ、と顔を背ける私。
それはもう自己責任で自分の努力でやって頂くしかないことだ。
そして、しばらく様子を見ていたが所々、課題の内容ではなくwordの扱いで苦労しているので、そこは見兼ねて手伝っているうち、つい、ここは日本語として変だよ、とか、テーマと繋がってないじゃない、など口出ししてしまう。
もうどう書けばいいのかさっぱりアイデアがわからないと途方に暮れている娘に、例えばこうこう、こうだから、ああいう感じでああなって…なんてアドバイスを口走ったら、ムスメは必死でそれを打ち込む。
いやいや、あなた、自分で考えて書きなさいよ…とは言ったものの、頑張って身悶えしながら進めているのに、課題提出時間を過ぎてしまった。
まさに、シンデレラタイムである。
固まるムスメに私は声をかけ続けた。
とにかく最後まで仕上げなさい、あと少しだから、と。
真夜中を40分過ぎて、娘の必死のレポートは出来上がったけれど、課題提出フォームは時間切れで閉じられていた(当然である)
しかし、だめを承知で先生のメールアドレスに課題添付で送信させて頂く。
翌朝、もう締め切りは過ぎています、と一言だけお返事が来た。
また固まる娘を叱咤して、丁寧にお詫びし、必死でがんばったけれども時間には間に合わなかった、でも最後まで仕上げられたので見て頂けないか、もう一度チャンスを与えて頂けないか、懇願のメール内容を伝えた。
必死でそれを打ち、送信した娘。
半日後、教授からレポートを見て、後ほど返信します、とお返事が来た。
良かった!受け入れてもらえそう!
娘と二人喜びあったのが一昨日である。

それで私は忘れていたし、娘もようやく一息ついているかに見えたが、今日の夕方、2日ぶりにPCを立ち上げたら、まるでチェックされていない手付かずのメールの中に、教授からの細かな課題の手直し内容を返してくださったものと、それを直して至急最提出しなさいとのご指示のメールが届いていた。
それを見もしないで娘は羽根を伸ばしていたのである。

心から愛する大切な娘であるが、さすがになぜもっと気にしない、提出したものに対しての教授からのレスポンスがあるかどうか気にもしないとはどういあことよ、と叱りとばしてしまった。
その上でみっちり課題の手直しをさせる。
文章苦手な娘のゴーストライターを長年務めて来たけれど、もういい加減卒業させて欲しいと、本当に心から思う。
にもかかわらず、今回もちょっとまたゴーストしてしまった…あとはこの2日間、娘の方から先生にお返事しなかったことの、とても切実な内容を書き、お許しを求めなくてはならない。
母のプチ・ゴースト状態は続く。

ちょっとあまりに親不孝じゃないですか、娘よ…


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