卒業式への準備

  • 2020.02.15 Saturday
  • 15:00

早いもので、来月半ばに娘が大学を卒業する。

 

昨年からママ友たちからは、卒業式の袴はどうする?

もうレンタル決めた?

など話題に出されていたけれど、

私はすぐには決められず、考えていた。

私の祖母は、「中振袖が好き」とよく言っていた。

和裁士として一家を支え続けた人であったが、心底着物が好きで、

幾ら触れていても飽きない、苦痛ではないようだった。

(その代わり、育児も家事もしなかった、と母は皮肉に必ず言うが)

日本の文化を、ありとあらゆる美を、雅を愉しんでいた人だった。

そんな祖母が40年前、私の十三参りように仕立ててくれたものがある。

振袖に、中振袖が2枚、小袖やウールのアンサンブルなどなど、

祖母が用意してくれたものが何枚かあるので、

娘が生まれた時にはまず、それを譲れることがうれしかった。

この着物はすでに、娘が日本舞踊のゼミでの発表会で、何度か袖を通している。

に、しても、若い娘しか似合わないもの、なるべく多くきて欲しくて。

これを卒業式にも着てもらいたいと思ったのだ。

 

そうするとレンタルだと面倒になる。

今風の、完璧なコーディネートで揃ったレンタルのものは

眺めるだけでも美しくて、センスよくてお洒落で参考になるを思いつつ、

探したけれど、着物なしで袴だけレンタルというのはないようだ・・・

あっても高い。

 

調べると、もちろんピンキリだとはいえ、

多くの人が購入されているものが、

普段のスカートと変わらない値段で、ある。

これきり2度と履かないであろう袴を、借りるべきか、買うべきか。

判断するのを数ヶ月引き伸ばしていたのだけれど、

ついに買うことにした。



娘が選んだのは象牙色の袴。

私が密かに惹かれていたのと同じ選択だったのが面白い。

でも確かにどのお店も、

アイボリー、白といった色合いの袴は品切れが多かったので、

少なくとも今年の流行なのだろう。

 

袴から少し覗くだけの半幅帯は、手持ちのものでいいはずだったけれど、

この帯を見つけて、気に入ってしまったので購入。


多分、この空色に銀のレースの柄の方を表にして締めると思うけれど・・・

見えない部分に色鮮やかな蝶が舞っていると思うのは、

少し楽しい気がする。

半襟は綿レース、

重ね襟にはやはり空色メインで桜色が覗くものを選んだ。

可愛いと思う。

3月、早春の時期に娘が着るのに良い色合いじゃないかしら、

と想像しただけで頬が緩んでくる。



そもそもは昨年の秋、私のママ友先輩から、こちらの髪飾りを

新品未開封の状態でいただいたことで、

娘の袴のイメージは決まったのだった。

ちょうど持っている桜の中振袖の着物に合うし、

袴をオフホワイトのものにしたら綺麗で可愛いなあと。

ただ娘に無理強いしたくないので、

ピンクの着物を選ぶか、

同じく中振袖で、黒地にやはり桜の模様のものを選ぶかは、

娘に任せた。

髪飾りを気に入った娘は自分で、ピンクの着物に白い袴を選んだ。

予想通りの流れでしっくりと私の気持ちも落ち着いたけれど、

その反対を選んだとしても、今頃私は愉しく小物などを揃えていたと思う。

 

私が産み、育てたけれど、全くの別人格であることは当たり前だし、

むしろそうあってほしい。

私のようになって欲しいと思うほど、

私は自分を高評価はしていない。

むしろ娘はすごいな、といつも思っている。


バッグは悩んだ。

あらゆるカタログ、画像を眺めて、いろんなスタイルがあるとはわかっていたけれど、

やはり女学生さんらしく、お茶目で可愛いのは昔ながらの巾着バッグな気がした。

本当は今後も和装の時に使えるようなバッグがいいなと思い、

その観点でも探したけれど、私の脳裏に思い浮かぶ卒業式スタイルに合わない・・・。

着物に合わせたピンクか、引き締まりそうで、娘も好きな紅色か。

刺繍が好きなので、そんなものを・・・と相当あれこれ悩み、

これにしようと選んだのは白い縮緬に桜の刺繍のバッグ。

全体のコーディネートとしてはぼやけるかと思ったけれど、

手持ちの赤いツマミ細工の髪飾りをコサージュのようにしてつけたら、

ワンポイントで引き締まるかも、

白の巾着なら今後も和装時に使いやすい気がするし、と。

結果、大正解だと思っている。

別に赤いツマミ細工コサージュ、なくていいかな、と。

袴に合わせたい足元はこれも娘の希望は私と一致した。

ブーツ、それも茶色が良い、と。

これで揃った感じである。

悩んだ白い巾着のバッグ、可愛くていい!

必要ないけど、欲しくなって買ってしまった半幅帯もとても気に入った。

 

コツコツとこの数週間、悩みながら選び、買い集めるのは楽しかった。

そうして、それを今、こうして全部並べて合わせてみて、

さらに楽しい気持ちになれている。

祖母・・・小柄で明るい元気なおばあちゃんだった私の祖母も、

一緒に喜んでいてくれる気がする。

正直、身長150センチなかった私の祖母は、

私が何回身長は158センチだと伝えても、

着物は小さめで、特に袖丈が短めだった。

しかし、私の予想に反して私より伸びず、身長152センチ足らずの娘には、

振袖もウールのアンサンブルも、中振袖もなにもかもぴったり。

祖母は孫の私より、ひ孫の娘に合わせて仕立ててくれたようで、

なんだか可笑しい。

 

忙しさに紛れて私も、先月の息子の成人式まで

しばらく着物を着ていなかった。

着るととても心華やぐ。

楽しいのに、

着る前の準備から着た後の手入れまで含めて思うと、

なかなか容易に着付けを実行できない。

本当はもっと頻繁に着たいのにな、と、思うのはいつものこと。

こんな私のような人は本当に多いだろう。

本物の絹、紬などで高価で、手入れも難しいまま、

着る人が少なくなるよりは、

安価で洗える着物でも多くの人が愉しんで着れば、

その方が文化としていいと言う。

確かにそうだ。

 

昔気質の祖母は着物とは認めなかったかもしれないと思う反面、

たくさんの人が、

俳句の季語のように季節の柄や様式を知り、

帯や伊達襟、帯揚げ帯締め帯留めなどなど

たくさんの小物も使いこなして、

可愛く華やかに、粋に渋めに着こなす世界を喜びもしただろうと思う。

 

今回の袴も帯も全然、祖母が選ぶような「本物」ではないけれど、

今はこんなのでもいいね、と笑顔でうなづいてくれる顔が、

目に浮かぶ気がする。

 

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