張り詰める時

  • 2020.02.18 Tuesday
  • 16:55


庭の、白梅の木が満開だ。

そこに百舌鳥?が毎日のようにきて止まっている。

竹ごしに見下ろせる街に光が差していくのを見つめる明け方。

テラスに置いたこのブランコに座りながら、

富士山を眺めて気合をいれた。

 

何年ぶりかで、就職の面接を受ける日だったのだ。

 

 

福祉法人の、今の職場に通い始めて3年になろうとしている。

福祉のことは何も知らない、わからないまま、

事務補助のアルバイトとして勤務させていただいてきた。

職業に貴賎なしというけれど、福祉の現場で働く人たちの姿を目の当たりにし、

本当に尊いと思った。

歳をとり、自分も身内がいろんな福祉のお世話になるようになり、

そのありがたみを痛感して、人は一人では生きられない、助けてもらうし、

助けてあげる側にも、機会があるなら立つべきなんだな、ということを感じて。

私よりはるかに年下の方達が、とてもきちんと真面目に頑張っていらっしゃる姿に胸が熱くなり、

少しでもお役に立ちたいと本当に思えた。

なんの知識も資格もない私にできる精一杯のアシストは、

単純な事務補助、事務所の整理整頓くらいなのだったけれど、

昨年、非常勤という形で職員にならないかとお声かけいただいた。

有り難かったけれど、到底無理だと思った。

喘息持ちで食物アレルギーも発症し、以来、犬や猫の毛にも反応するようになった私は、

人様の家に伺ってお話を聞く、という基本のことができない。

事務所にいていろいろな補助飲みさせていただく、と言う以上のことは務まらないと思った。

が、今年また再度、お声かけをいただいた。

今度は事務専任という新たなポジションをすすめてくださったのだ。

 

私はモノグサ、怠けものだ。

本当はもう、ずっとずっと家にいたい。

中学、高校生の頃の進路希望は漫画家か作家だった。

その心は家から出ずにできる仕事だと思ったから、だった。

生憎才能が全くなく、あったとしても簡単な仕事のはずがなかったけれど、

それくらい、家から出ない、働きたくない、は、私の心の基本スタンスであった。

もちろん、働かなくては生きていけない。

家から出ずして仕事は、そうはない。

途中、専業主婦の時代もあったが、やはり子供の養育・教育費にはお金がかかって、

芸術系の習い事にも湯水のようにお金はでていきがちなもので、

職を求めて外に出ざるをえなかったのだ。

 

出る以上はちゃんとしよう、とは思う。

お金を得る、ということは生半可ではないと思う。

どんな仕事も賃金を得る以上はプロなのだ。

労働形態がなんであっても、取引相手にとってはプロである。

だからバイトであっても、私なりにきちんとしよう、それだけはいつも心がけてきた。

そうして仕事をしながら、この年で、たくさんのことを学ばせていただいた。

福祉のお世話になることは、多分どんな人にも必ずある。

歳をとって一人になることも、思っていたほど健康でいられなくなることも、

経済的に苦しくなることも、

多分普通のいろんな人に、わりと高い確率で起こり得ることなのだと痛切に学んだ。

 

娘の学費のために働きに出てきたけれど、

その娘がもう卒業するにあたり、

勤務先の経営状態もけして楽ではないことから、

(営利を目的とした企業ではないから当然なので)

アルバイトの契約が切られるだろうなということを予想して、

もう家にいようかなと思っていた。

4月からまた、専業主婦に戻って生活のペースをのんびりしたものに戻し、

また苦しくなってきたらアルバイトを探そうかな、と。

 

だから先月、上司からちょっとお話をと呼ばれ、

会社としてアルバイトを減らしていくことになって、と説明された時、

笑顔でうなずき、では3月いっぱいまでということで・・・なんて答えたら、

そうではなくて、だから非常勤職員になりませんか、

無資格でももう十分○○さんには条件が備わっていますよ、と言っていただいた時、

びっくりしたのだ。

 

そして素直にそのお気持ちが嬉しいと思ってしまった。

 

勤務日数と勤務時間が少し増える。

責任はアルバイトよりかなりしっかり増える。

でもお給料がアップ。オットの扶養家族から久しぶりに離れることになる。

契約は1年ごとの更新。

責任重大。

できるのかなあ、私に、と不安は尽きない。

でも尊敬してきた皆さんのバックアップを、縁の下の力持ちの仕事を

今よりもっと深くできる機会でもある。

 

スーツを着て、午後、面接にでかけた。

知っている方達であっても緊張してしまい、良い感じにできたかどうか自信はない。

上司は自分の推薦だから、99.99パーセント落ちませんよといってくれたけれど、

それでも、このオバさんダメだな、と思われた気がしてならない・・・

 

久しぶりに、若い頃経験した、頭を抱えてわーって、床の上を一人呻いて、転がりたい気持ちに、

今の私は、なっている。

 

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