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2020.02.27 Thursday

訪問者

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    視線を感じて顔をあげると猫がいた。

    輝く様な黒い毛並みがとても綺麗。

    庭からウッドデッキにあがり、もろに我が家のリビングを覗いている。

     

    その眼光の鋭いこと。

    私と目があっても全く逸らさない。

    怯むことなく、むしろこちらを睥睨しているようにさえ見える。

    猫にこんな見られかたをされたのは初めてだ。

    己の気配を消そうとも思っていなくて、

    堂々と、私を、ついで娘を、ひどく傲慢な様子で、値踏みするように見切ったあと、

    さらに遠慮のない様子で、室内をじーっと見回した。

     

     

     

    何かを探しているようだと考えて、思い出した。

    我が家の前の住人は猫を飼っていたそうなのだ。

    外にださないよう、1年中窓を締め切っているご家族だったので、

    壁やらカーテンやらにカビが生えちゃって、とオーナーさんがこぼしていらした。

    この猫はその猫の知己、もしくは敵対している関係だったのかもしれない。

    どちらにせよ、気になる存在だったのか。

    私と娘をびっくりするほど長く、推し量るように見たのは前の住人かどうか確認するためかしら。

     

    なんだか普通の猫の感じがしなかった。

    この傲慢ぶり、相当お家で愛され可愛がられ、崇拝すらされているお立場なのではと推察する。

    愛されているものの自信オーラが全身からあふれているのだ。

    素敵な首輪がその証拠。

    和風ちりめん柄の赤い紐に金の綺麗なメダルがついていて、

    お守りのような雰囲気がある。

    それと似たものを見たことがある。

    オーナーの飼い犬、チビさんがつけているのだ。

    その首輪が可愛かったので私が見ていたらオーナーが、

    庭にくる猫が落としていったんだと思うのよ、

    猫がくるのみたことない?とおっしゃったのだが、

    この猫さんのことらしい。

    なくしたけど、すぐに新しいのを付けてもらえたんだろうな。

     

    前の住人猫は外にだしてもらえなかったということだけど、

    ガラス越しにおしゃべりを楽しむ間柄だったのかもしれない。

    もしくは逆に、めちゃくちゃ反発を感じていたとか。

    詳しい事情はわからないけど、とりあえず記念撮影させてとスマホをむけたら、

    面倒臭そうな顔をして、去っていった。

     

    黒猫が不吉な知らせというのは、ヨーロッパのごく一部での伝承だそうで、

    日本では昔から吉兆と言われていたそうである。

    だとしたら今日のこの御訪問者さまとの濃厚な接触は

    大吉兆だろう、と思うことにする。

     

    昨夜から、

    娘の予定になっていた日本舞踊の発表会と、卒業記念パーティーの中止が決まり、

    芸能界、スポーツ界でもあらゆるイベント、興行が中止される流れの中で。

    全国の小中高、特別支援校もすべて3月2日月曜日から休校にすると安倍首相から発表された。

    まさしく、国からののおふれがでた、という感じだ。

    オットの会社もテレワーク決定で、明日からもう出社しないという。

    逆に私は、その3月2日からまた仕事に出かけるのだが、

    福祉だから休みにはならないだろうな。テレワークもない。

    ただ無駄に群れ集う場所にはいかないので、きっと大丈夫だろう。

    そして、それでも何かいいことあるさ、とどこか楽観的に思えてしまう。

    適当に、特に理由もなく、いつもそう思うことで

    実際の小さなラッキーに繋がってきたのが私の人生だったから。

     

    好きな民話は「わらしべ長者」。

    性格出るなあ。


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